セダン200GL 後期型(1981-1983 E-430)
アオシマ1/24

さて、サンバーに引き続き、カーモデルの今年の話題をさらったセドリック/グロリア。
80年代前半の所謂430型、実車登場から30年以上もたってから、それも上級モデルのブロアムでなくGLとスタンダードでイメージリーダーでもあるハードトップを差し置いてセダンを新規で出すだなんて一体全体誰得で誰が想像出来ましょうか!!

どうせ意表をつくならバン/ワゴンで無いと(←それこそ誰得だよ!!)

・・・とまあ、ボケるのはこれくらいにして、そもそもの発端と言えるのがこの車が新車当時にオオタキと言うメーカーから同じセダンが出ていたことに端を発するわけでして。
もともとタクシーをキット化する前提から合えてセダンを選んだのですが同社が倒産後、当然リリースが止まったわけでそれだけならまあ良くある話ですけれど、『西部警察』に登場する覆面パトカーの撮影車両として大量に使われ、いまだ根強い人気を博していることからこのキットがプレミアついて流通することに・・・。

さらにアオシマから西部警察シリーズが再販され始めた時期に参考出品としてオオタキのキットを出したことからすわ再販か!!
と言っても実際金型を持っていたということではなく、市場の反応を見るのが目的だったとのことで金型の捜索もずっと行ってはいたのですが一向に見つからなかった、とのことで、かといって新規で作るにしてもさるSNSにて懇意にして頂いているケンメリワゴンの持ち主いわく、何度も申請した物のずっと企画が通らず、ようやっとGOサインが出たとのことだそうです・・・。

それでも粘りとおした『アンタは偉い!!』(←小松政夫氏に謝れ!!)

いや、それ以前にアンタ言うなと怒られそうですが・・・
それでもずっと渇望していたモデラーさんはかなりいたのは間違いないですからホント、良くやってくださいましたわ。
サンバーのときもそうでしたけどもう勢いが凄まじいですからその勢いでどんどんやっちゃってください♪

キットについて

キットに関するレビューは当店特約代理店(相互リンク先)ウェブログの方々が詳細に纏められておりますのでそちらをご紹介と言うことでご覧いただければ、と思います。

HITEQ JASMINEさまの『HITEQ JASMINEの偏った日常。』(2013年11月1日掲載)

ながせさまの『くるまのプラモ製作記』(2013年11月1日掲載)

それぞれのブログにはトップページへリンクしておりますので各自掲載のページへの移動はご閲覧の皆様方各自で行ってください。

元々この車種に関してはハードトップモデルの3ナンバーの最上級仕様『280Eブロアム』が存在しますけど、あちらとは全く共有する部品が無く全くの新規開発とのことです。

ただ、前作のサンバーが精密さと緻密さに挑戦したのとは異なり、むしろ作りやすさと簡略化を推し進めつつ、バリエーションを考慮した設計なだけに、様々な仕様の展開が可能だと思われます。
ただ、個人的なことを言えばオオタキのキットを参考にしたと思える部分が随所に見て取れて古のキットに対するリスペクトと製作側に懐かしさを感じてもらいたいと言うそんな気がします。
といっても、現代のキットとして抑えるポイントもきちんと踏まえているので完全にオオタキのキットに倣っているという事でもないですけれど。

今回は手始めとしてこちらと兄弟車のグロリア、あちらはスタンダードとしてですが同時にリリースされており、まあ西部警察を意識した車種選定かな、とも思います。
余談になりますけどさるSNSにて懇意にして頂いているケンメリワゴンの持ち主いわく本当に作りたかったのは280Eブロアムだったそうで・・・(さる模型専門誌にて発言されてました)。

まあ、わたしが買ったときもさることながら今の段階(この記事書き始めたい11月17日時点・・・書き終わったのは23日ですが)でも殆ど売り切れに近く、わたしも最初の段階でGLしか入手できずようやっとスタンダードを入手できたくらいでした・・・。(それに関しては当バックヤード(ブログ)にて改めて・・・)

という訳で、今回はキットデフォルトのままで製作。特に手を加えたところはなく本当にキットストレートでの製作になります。

ボディについて

全くの新規開発によるこのボディ、実車が割と角が立っている印象のせいか、アオシマ特有の角ばった表現が似合っていると言っても過言ではないでしょう。。

ただ、角が立っているといっても実車はエッジと言ってもこんなに鋭角でもないだろと突っ込みたくはあり、幸いにもパーティングラインがその角の先端に上手く沿っているので軽く角を落せばリアフェンダーとリアピラーの間以外のパーティングラインは処理できます。その部分の処理はちょっと神経を使う部分ですけど・・・。

そしてボンネットが前期(及びスタンダード)/後期で形状が異なることから別部品となっているのですが先に接着してしまうとワイパーがつけれなくなりますのでご注意ください。
まあ、後から接着してもとくに問題ない部分ですし(塗装の厚みが気になるのであれば削ってクリアランス調整すれば済みますし)腕に自身のある方でしたらエンジンを追加するのも面白そうですし(タミヤの280ZXの物がほぼ同じなのでプラスワンボディのをお持ちでしたら余剰でありますので流用にはもってこい)、カスタムベースとかでV8とか違うエンジン載せるのも面白そうです♪

そしてメッキパーツが多いのも特徴で、本来GLはブラックのフェンダーミラーなんですけれど、あまりにもメッキが綺麗なのでそのままで作らせて頂きました。(本来はSGL以上のモデル用の電動タイプなのでオプションでつけた・・・とか)

フロント周りはグリルとバンパーの間のパネルがグリルと一体になっているのが難点。
まあ実車もボディから分かれたパーツですしマスキングして塗り分ければ済む話だといわれればそれまでではありますが・・・。
しかもGLでは左右のフェンダー上部のメッキパーツがボディ側につくのも頭をかしげた部分。ここがグリルと一体でも良かったのではないかと。メタルックを貼ってみたものの、どうにも剥がれやすい場所ですので・・・。
ヘッドライトを初めレンズ類がすべてクリアパーツなのはオオタキのがメッキのままだったことを考えるとありがたい限りではあります。


リヤ周りはバンパー上部に走るメッキモール、これが細く折れやすい・・・というか折りました!!(←ヘタクソ!!)
と言う事で皆様お気をつけください。
あとはセンターガーニッシュ上部を残してブラック塗装なんですけどここはメッキと黒の部分を分けてほしかった所ですねぇ。そして上部に「NISSAN CEDRIC」のデカールが付きますけれどこれがメッキの上だと剥がれやすく撮影時に剥がれちゃいました。
今回はメッキにクリアコートをかけなかったんですけどデカールの乗りが悪いのでかけたほうがよろしいです・・・。

他にはレンズがクリアー整形で着色ではないのですがこの面積ならコストをかけて別パーツにするよりも良かったかと思います。

それよりもリアバンパーがリアアンダーエプロンと一体なのは塗り分けることを考えると頭が痛いところでオオタキのではバンパーが別パーツだったんですがそうなると折れやすくなると言う(実際オオタキの手持ちのはそれでバンパー駄目にして修理中・・・)バンパー自体の強度の問題もありますし悩ましい所です。

シャーシについて

こちらもボディと同様全く新規に作られた物で、今回の説明書にこそ記載はないですが・・・

ちゃんと車高も落せます。

追加でようやく手に入れることが出来たスタンダードの物を使用してシャコタン状態に仮組みしたものとあわせてみました。

まあ追加入手に時間が掛かったのも更新が遅れてしまった理由・・・

と言うか実際は忙しすぎてページ作成どころではなくようやく落ち着いた頃にスタンダードのキットも入手できたと言うのが本音なんですが!!(←落ち着け!!)

シャーシとサスペンションパーツの間に入るスペーサーの位置を変えることで選択できる仕組みになっちます。

そしてシャーシ自体では・・・

こちらに関しては組み立てに難しい所は無く・・・むしろ簡略過ぎません?

スペアタイヤハウジングが別パーツでなおかつ取り付け穴が左右でサイズ違いなのでつけ間違いが無いのが良心的ですねぇ。
一体でもいいはずなんですけれど・・・やっぱりバン/ワゴン出るんですか?(←マテや)いや、それだとスペアタイヤが釣り下げでむき出しですし・・・ねぇ。

ここはあえて半つや黒のパー吹きでマフラー側だけシルバーをさしておきました・・・がトランスミッションもシルバーやん!!
まあ、そんなに気にするほどでもないかと(←アンタは気にしなさい!!)

ただ、最近のキットにしてはと思う部分もありまして、それはフロントサスペンション。

どういうことかと言うと、ロアアームの長さが短くストラット下側の支点がタイヤ側から奥まっている為にステアリングを切るとこの様にタイヤが大きく振りかぶってしまうんですよねぇ・・・。

最近のキットではこうならないように支点をタイヤ側まで寄せるようにしているだけにこの部分は大きなマイナスポイント。

とは言えども、気になるようならロアアームを延長して視点を手前側にずらせば済む話(と言っても実際はかなり手間が掛かりますけど)なのと、車高調整できると言うことを考えるとキットとは別のアルミホイールの装着を前提としてその分のホイールの収まる寸法分の余裕を考慮していると考えるのが妥当かとも思えますが・・・。
(ロアアームの支点をホイール側に持ってくるとどうしてもレイアウトの都合上ホイールサイズに制限が出てしまう為)


そしてホイールと言えばこれも気になるポイント。
こちらのGLは純正のホイールカバーになっているのですがオオタキのキットとどうしても比較になりがちなのもあるのですがそれにしても抑揚がないと言うか、中央部分の出具合が少ないと言うか・・・。

で、新規開発との事で、GLはわかるんですけれども、スタンダードはすでに先代HTのパトカー用ですでにあったはず・・・
何でまた?と思いそちらのホイールを引っ張り出して比較してみて理由がわかりました。

キットのホイール、14インチより小さいんですけど

どうしてこうなったのかと言う最大の理由は使われているタイヤ。
1/32スケールのトラック用のものを流用しているんですよ。
その理由はタイヤの幅が実測に近い物がそれだったからと言う理由からの採用でしょう。
確かにタイヤを新規で作るには金型に掛かるコストが通常のプラ用よりも高いという話を聞きますし、既存の14インチとなるとどうしても幅が広い上に最近のラジアル出雰囲気にそぐわないでしょうからねぇ・・・。


まあグダグダ論議しても机上の空論でしかないので論より証拠、あてがって比較してみましょうと言うことでスタンダードホイールによる比較をして見ました。左がキット付属の物(タイヤのサイドウォール、刻印を裏側にしております)と既出14インチにハセガワ1/24フェアレディZ用バイアスタイヤの組み合わせ。

・・・どうですか。キット付属の物の方がサイズ、雰囲気的にもぴったりじゃないですか。

こうして見るとキット付属の物に比べ既存14インチはホイールが大きく感じられるのがお分かりただけるかと思います。

いや、これは全く持って以外なことだったんですけどここまで計算していたのには恐れ入りました。

これがもう少し車高が高ければ印象が変わる部分があるかもしれませんけれどこの状態からさらに上げるのもまたバランス的に・・・と言うことを考えてもかなり絶妙な塩梅に納まって居ると言うのが私の私見です。

まあ感じ方は人それぞれですのでそのあたりは好みが分かれる部分でもあると思います。

内装について

アオシマといえば毎度シート形状が角ばっている気がするんですけれども、このセドリックに関してもそんな角ばった印象が強く・・・
角を削ればいいという話でも今回はなく、難しい所ではありますがさりとてさほど気にする所でもないかと。

ランナーから切った部分をロクに処理していない時点で説得力もまるで無いですし(←マテや)

シートバックがきちんと別パーツ化されているのが最近のアオシマの良心的かつ美点なポイント。

ただ一つだけGLに関して残念な所はせっかくコラムシフトが選択できるのですから専用のセミセパレートシートも再現して欲しかったですねぇ。
キットのフロントシートはスタンダード用がそのままなんですけども、せっかくおんなじランナーでスタンダードとはリアシートと内張りを作り分けるんですからこちらも変更できたのではないでしょうか?

コラムシフトとフロアシフト、マニュアルとオートマがそれぞれ選択できるパーツが用意されているだけに非常に残念な所です。

で、今回マニュアルにしたんですがこれはたんにオートマ用のペダルを破損したと言う単純なミスによる物で何の意味もありません。
いや、オートマのセレクターも良い形状なんですけどねぇ・・・

ペダルと言えばインパネの裏側に接着する指定なのは最近のキットでよくあるんですけどいざつけた状態見るとなんだか足元がかなり窮屈に見るんですけど・・・。

内装パネルの足元寸法が短くかなり手前側で折れ曲がって内壁が立ち上がるんですが実際はホイールアーチ根元の所まで続いているはずなんですけどねぇ。

まあ普段見えないところだから省略しているわたしが言えた義理でもないんですが(←マテや)

後はシート地の塗装ですが、今回は指示通りのカラーを使わないで実車の画像を探してそれに近い色を作りインパネ周りをややツヤありの状態でエアブラシでざらつかせて吹き、シート地をフラットベース滑らかを多めに入れて吹いて布地の質感を出してみるよう心がけましたが・・・木目や黒い部分の筆塗り失敗してぶち壊してたら世話ないです。

 

まとめという名のたわ言

まあ正直なところ、今になって新品でキットがリリースされるとは到底思って無かっただけにうれしい限りです。

初期ロットはもう殆ど完売と言う話は聞きますので再生産が掛かるのは時間の問題でしょうし、バリエーションの展開だって期待できそうですし。
刑事ドラマネタで言えば西部警察仕様は言うに及ばずでそれこそケンメリワゴンの持ち主が最初に作るたかったという280Eブロアムも期待できそうですしそれだったら特捜最前線仕様にも作れそうですし、近作でしたら映画版のあぶない刑事で出て引っくり返った仕様もすでに作られておられるブロガー様もいらっしゃいますし。

そう思う一方でリリースにおいて思う所はあったんですがそれはバックヤード(ウェブログ)にて。で思ったことがあるとすれば・・・

もっと早くに出さんかい!!(←やかましいわ)

とまあそんなことを言いたくなるくらいかなり待ちましたから。でもホント、出してくれたこと自体は感謝しておりますし30年も前の車のキットがこうしてリリースされるのも良い時代になったものです、はい。


(掲載日2013年11月23日)

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