セダン2000 スーパーデラックス 後期型(1981-1983 E-GS110)
フジミ1/24 4ドアHTロイヤルサルーン改造

ネコ・パブリッシング社刊 モデルカーズNo212 2014年1月号 特集セドリック/グロリア&クラウン特集掲載車両

さて、すでにコラムにても話しましたようにモデルカーズに出展と相成りましたる この鬼クラセダン。

そもそものきっかけこそ『太陽にほえろ!』シリーズ末期に登場した撮影車両を作りたいが為に勢いで改造し始めたんですが、資料がなかなか見つからず、ずっと頓挫して・・・
それから数年が経ち、急転直下とはこの事か、モデルカーズからの製作依頼の話しが舞い込んで、突貫工事ながらもこうして形にできました。

まあ・・・

締め切り間に合う自信、全く無かったですけどな〜(←マテや)

・・・いや、まあ、途中でアクシデントがおこる可能性だって否定できなかったですし、ねぇ、と言うことで。

でもこういった機会がなければ陽の目を見る事も無かっただけにモデルカーズ編集部、そして担当の『バッハ石の森』さまにはこの場を借りて改めて御礼申し上げます。

改造工程については改めて各セクション詳細にご紹介いたしますので概要について軽い説明に留めさせて頂きます。

ベースキットについて

今回元にしたのはフジミの4ドアハードトップ 2800 ロイヤルサルーンなんですが、これは製作開始当時で入手できたのがこの仕様のみだったことからで、近年再販されました2000ターボスーパーサルーンの前後バンパーがそのまま流用でき、私が買ったキットは限定生産と言うことからか生産を急いだ為なのか右フロントが上に反りあがるというエラー品。ジャパンの前期型リリース時にも同様の不良品が出回ったという話も聞いてますが・・・。そのためこのボディから一部パネル類を引っぺがして使っております。

改造について-ボディ編

元々のベースはハードトップなんですけども、フロントウインドゥの角度を起こし、すなわちフロントピラーの角度を立てて屋根を延長してリアピラーの形状を変えて・・・と普通にセダンにするだけならそれで済むかと思ったらそう簡単な話ではなく、実はボンネット以外の外板が全然違い全く共有する部品が無いという無駄に豪華な設計。まあ同時期のコロナもセダンとHTはそうでしたけどもねぇ・・・。

なので左右両サイドの形状を作り変えるためにまず最初に1.2ミリのプラ板をドアの裏側にボディのRに添う形にまげて接着。これはフジミのキットの場合、プラの材質がやわらかすぎる為整形時に変形してパネルの平面が出ない事を考慮しての対策でそこから半丸の平やすりでガリガリと削りまくりました。
この際に削れてしまうドアノブ部を開口しておいて部品取りから取ったドアノブを埋め込むようにしておきます。
その際にサイドモール部分、実車は凹んだ部分にモールをはめ込む形状なんですがキットのは単なる凸モールド・・・
そのためこの部分も掘り込んでいきますが、その工程はモデルカーズ誌にて掲載されておりますのでそちらをご覧いただければ幸いです。

それに伴ってサイドモールも作り直すのですが、海外製(メーカー名失念)の黒いプラ板を短冊状に切ると共にスジボリを入れて形状をつくり・・・塗装せず(←ここ重要)両面テープで貼り付けております。ボディが黒いのもありますが実際プラスティックですからわざわざ塗らなくても十分質感は出てるでしょうしねぇ・・・。

そしてドアサッシ部分は海外製(メーカー名失念)の黒いプラ板0.4ミリを使用、こちらもモデルカーズ誌に掲載されていますがsレイアウト上の制約から紹介しきれなかった部分があり作り直した際に更に0.2ミリのプラ板を使った3枚がさねだったんですよ。それについての詳細も後日改めてご紹介いたします。

そしてメッキモールが多いのもこの年代の車の特徴で、ハセガワのミラーフィニッシュ(こちらはヘッドライトベゼル、前後バンパーにも使用)、メタルック、セメダインのメッキテープと持ってる材料フルに使いました。
サイドモールのメッキモールの細切りには相当難儀しましたが。

また、フェンダーミラーなんですけれど、当初はアオシマのセンチュリーのを流用するつもりだったんですが、形状が全然違う為、全く似て無くやたらとゴツイキットの物を削りまくって整形しました。

フロント周りはバンパー以外使える物が無くまったくの別物と言って差し支えないでしょう。
そのため、エポキシパテでヘッドライトユニットを作りエバーグリーンの帯板でモールを追加。
ヘッドライトこそイマイーアオシマのカローラセダンの物を流用しましたがフォグ/クリアランスのレンズ類はキットの物を切り出し加工して使用しました。

それよりも悩んだのがこのフロントグリル。
幸いなことにエバーグリーンのプラ板で、波板状の物が偶然見つかりましたのでそれから切り出し並み居た部分を横柵にして縦柵を等間隔に掘り込み、メタルックを張ってガンメタを吹き完全乾燥前に薄め液をしみこませた綿棒でなぞって凸部分だけメタルックのメッキが出てくるようにし、エンブレムはキットのグリルから切り出して貼り付けております。


リヤ周りに到っては全くの別物。HTはスラントして緩やかに下がるのに対して、セダンは直角にストンと落ちる。
そのため全くと言っていいほど作り変えでテールランプ/ナンバーポケットとバンパーの間のパネルこそキットのを切り出して使いましたが・・・。

他にはレンズも全く異なるのでエポキシパテを充填し形状を作った物をプラリペアで複製して取り付けました。

それよりも最大の問題点が・・・

エンブレム関係、実は実車と異なっていると言う・・・どういうことかというと、今回製作したのは普遍グレードの『スーパーデラックス』なのですが、編集部から頂いた資料はそれよりもワンランク上級の『スーパーサルーン』。実はエンブレムのレイアウトが異なっているようでスーパーサルーンから上級モデルは今回作った通りでいいのですがスーパーデラックスから下のモデル、『TOYOTA』のエンブレムが『CROWN』の手前ではなく、中央にキーホールカバーの変わりに横長に独立した形状でその上にキーシリンダーが露出した形状だったようで・・・

これは私が作ろうとした撮影車両の資料を『有楽町@m2f』さまからお借りしたときに気づいた物でちなみにそれがすでに完成、発送した直後だったと言う・・・。

そしてもう一つ問題が起こったといえば各エンブレム。ご覧頂いて違和感をもたれた方が多いと思いますが・・・・
当然アルプスプリンターで、となるんですけれど・・・フラッシュシルバーが印字できねぇ・・・orz
しかも・・・メタリックシルバーが切れた・・・いや買ったときから調子悪く、修理に出してる金も暇も無く、通常の印刷にかろうじて使えるので逆転の発想、ミラークロームにデータを反転して黒印刷して貼りつけるという荒業かましました。ボディカラーが黒だからできた反則技ですがやはり定着性に難があって(そのため印刷の上から透明テープを張って保護したんですけど)角が剥がれてくる始末・・・
その為、お勧めできる方法ではないです。

シャーシについて

このキットに付属のシャーシは80年代のフジミのカーモデルキットを支えた『板シャーシ』
・・・最もフロントサスが華奢過ぎすぐ折れるためにカーモデルのボディを(それもモーターライズで)まともに支えられないですが(←マテや)。しかもホイールハウスが無いに等しくホイールアーチ内が筒抜けになる為に悪評多く、輸送時の破損を考慮したら当然使ってられません。

その為に他のキットから流用すべくホイールベースの合うのを探してアオシマのコロナHT/セリカXX用を用いることに・・・と言ってもそのまますんなり収まるわけも無く加工したのは言うまでもありません。

また、フロントのロアアームをプラ板で作成することで延長、タイロッドも伸ばしております。これは北澤氏が提唱、実践されているフロントタイヤの切れ角の違和感を無くす為で今回この作業を行わせて頂きました。

今回、完全なカタログモデルとしての製作ですのでホイールも当然新車時装着品に相成りまして、スーパーデラックス/スーパーサルーン用の純正ホイールカバーを14インチサイズの余りもののホイールにエポキシパテを盛ってリューターで形状を削りだし円周上のたて溝を均等に(90度の対角線上にスタートしてその中間を順次掘っていく)彫り形を形成、これを中央部としてかたどり、ポリパテで複製品を作り複製した物にリム形状が近いホイールと組み合わせ、タイヤはタミヤのクイック・デリバリー用を使用しております。


 

内装について

今回スーパーデラックスのコラムシフトAT車とするために<シートをセミセパレートタイプとするために自作。
キットのシートはロイヤルサルーン用のセパレートなのでどの道大幅な形状変更は必要でしたので。
詳細な事はモデルカーズ誌に掲載されていますのでここでは補足に留めますがシートの心材となったファイアーバードは3代目の'91のフォーミュラーで更に裏話として、実はシャーシの加工時に室内側センタートンネルを盛りすぎたのと座面の肉厚が厚過ぎてて最初ボディ側につけたインパネとシートの隙間が殆ど無くこんなん座れるか!!という有様で何度も双方削って調整しましたけど・・・誌面をみたらまだ間隔が狭かった・・・。

しかも、太陽にほえろの撮影車両はよく見たらフロアAT車だったというオチが付きましたが。

(『太陽にほえろ!』 第711話「殺意との対決・橘警部」にて急旋回時のハンドル切っているシーンのコラムカバー形状、シフトレバー用の穴が無い事から判断。)

まあ、また新たに作ればいい話ですし。ちなみに本来はセンターアームレスト部というのかセンターシートでいいのか、(確か6人乗りだったはず)のシートバックにスイッチがつくのですが裏側だし時期案が無いのでそこは省略しました。

誌面掲載写真と同じアングルで採ってみましたが・・・プロには敵いません(←当たり前だ)まあ状況画像として影になっていた部分を見やすくしたかったから、なんですけどペンライトを当てる位置に苦労いたしました。
こちらも詳細は誌面をご覧いただければ、と思いますが、追記事項としてはウッドパネル内のスイッチ関係を部品取りのインパネから切り出しつつ削ってすり合わせしつつ取り付けたことと、ステアリングコラム上のATセレクターインジケーターを追加したことが上げられますが・・・
ステアリングの溝、上手く彫る方法あったら教えてください。

 

まとめという名のたわ言

こういった改造ネタの場合モチベーションが下がってしまうとどうも頓挫してしまうのが私の悪いクセで、モデルカーズから要請が来なかったら多分できなかったのかもしれません。

改造の経緯については日を改めまして順次連載していくつもりですのでお待ち願えれば、と思います。。

今回の作成においてはカタログを借与協力してくださいました『ニーミーの86とやっちまった車模型工房』の『ニーミー』様、
そしてドラマの映像資料を借与協力してくださいました『Marrion Model Factory』の『有楽町@m2f』様に感謝いたします。
そして今回お誘いしてくださいましたモデルカーズ編集部『バッハ石の森』さま、『プラモデラー』誌の編集、作例作業と平行しながらの大特集、お疲れ様でした、と共に私の作品に共感して頂けましたなら、氏に10倍の拍手を・・・

そして今回のモデルカーズ誌を読んで頂けた皆様にはこの場で恐縮ではありますが、一言・・・

ありがとうございました。


(掲載日2013年12月1日)

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