7thスカイライン プラモデル インプレッション&バイヤーズガイド

さて、944ターボ以来久しぶりとなりますこのオマケコーナー♪

今回は更にキットインプレッション的な側面を踏まえ、製作したキットの概要と現状の流通状況などを簡潔にご紹介してご購入の際の参考になれば、と言うのが このコーナーの趣旨になります。

といっても店主(管理人、つまり私Takuのこと)が把握している範囲での内容になりますと共に、入手困難なキットについてはさわりだけの説明となりますことをご了承願います。

この7thスカイラインの場合、プラモデルとしては実車が新車で販売されている時期にリリースされました1/24のフジミのキットが今まで唯一でした所に30年過ぎてからのハセガワが昨年完全新規開発でリリースという予想だにしなかった展開に色々と驚いている次第。

せっかくなので両者を完成状態で画像で比較しつつ作って思ったことなどを書きなぐりたいと思います。

先ずは各々のキットをご紹介
※グループA仕様については全て把握仕切れませんので省略いたします。ご了承ください  

フジミ模型1/24

バリエーション
・2ドアクーペ(後期型GTS-R及び前期及び後期GTS-Xツインカムターボ、トミーカイラM30/20、ハルトゲHS30)
・4ドアハードトップGTパサージュツインカムターボ(前期及び後期)
・2ドアクーペグループA※

販売価格:
初版800円、現在2900〜2600円(消費税別)

組み立てやすさ:
シャーシ及び内装の組み付けにコツが必要

キット内容:
初期はモーターライズで現在ディスプレイのプロポーションモデル。車高調整可能、GTオートスポイラー、チルトステアギミック付き

流通状況:
前期型4ドアHT以外は販売期間が長く入手は容易

特徴:
ハセガワのリリースまで唯一無二の存在でボディのプロポーションも共通シャーシによる車幅の広さこそあるものの、フジミインチアップシリーズの中で最高の出来を誇るといっても過言ではないロングセラーキット。
ボディのプロポーション自体もサイズが大きい事を気にしなければ忠実に実車のイメージを捕らえていますしGTオートスポイラーの可動ギミックも特筆ですし、内装もGTS標準車のインテリアを忠実に再現、チルトステアリングのギミックも付くなど意欲的な反面、シャーシとのフィッティングに難があり位置決めに手間がかかることとGTS-R用のステアリングとシートが無いのが残念なポイント。 シャーシはインチアップディスク共通のいわゆる板シャーシ、但しオートスポイラーのギミック用に改修されている専用の物で車高をノーマル状態だけでなくシャコタンにも出来るのがポイント。但し板シャーシ共通の欠点として前サスペンションの軸が細すぎて長いので根元で折れやすい欠点ありますのでスペーサーを入れたら接着して軸を短くすれば対処できるかと。


タイヤとホイールは16インチ相当のBBS-RS3ピースホイールが入っていますが純正はオプションで15インチのBBS-RGというワンピースホイールで本来の純正アルミ共々このキットでは入っていません。

30年に渡り長く作られている為バリも見受けられますが、内装の部分以外はさほど難しい所も無く、なによりお値段が安かったのが・・・とおもって現在のお値段調べたらGTS-Rで2900円って高くなってんですけど!?
といっても、現行生産品にはかつてバリエーションであったサメエラフェンダーシリーズのワイドボディキットと345サイズの幅広タイヤ/ホイールが入っていますのでその分を考えるとお買い得ではありますし、GTS-Rは長い事市場に流通している事もあって中古市場で安く見つけることも難しくは無いと思います。 

その反面、標準の後期GTS-Xはスポット生産に近く、なかなか見かけないキットでしたが、最近再版され現行商品となっているロットからは後期登場により金型改修で市場から消えた前期型に変更できるパーツが新規で追加されたコンバーチブルキットになっております。

また、4ドアハードトップも現状では後期型が定期的に再版されてますが前期型は後期型に金型変更された事と2年間のみ流通していた事から現在プレミア価格になっております。

ハセガワ1/24

販売価格:
3200円(消費税別)

バリエーション:2ドアクーペのみ
・GTS-R(通常商品)
・GTSニスモ(限定品)
・グループA仕様※

組み立てやすさ:
部品精度の高さから一部パーツの組み込みにコツが必要

キット内容:
エンジン以外完全再現されたフルディスプレイ、車高調整は不可

流通状況:
現在初期ロットの流通在庫が所々で売り切れてるケースが見られますが定期的な再販の可能性アリ

特徴:最近ヒストリックカーに精力的なハセガワがリリースされたこのキット、ハセガワらしくデフォルメせず実車の縮尺に忠実なサイズのためフジミに比べると線が細いというか迫力に欠ける部分は否めない一方、(本来はこちらが正規のサイズなんですけど)最新設計だけあってボディはもとよりインテリアもシャーシも完全再現。ホイールも純正カバー(GTS-R)にオプションのBBS-RS(GTSニスモ)と完全なノーマル再現。
ただ、GTS-Rを基準に設計されている為か現時点でのバリエーションが同じ内装の限定車GTSニスモだけなのが気になるところで標準グレードでの展開が果たしてあるのかどうか・・・
その場合、前期で出るのか後期になるのかはたまたそれぞれ別キットか両方選択式かも気になる所。
そしてグループAでのバリエ展開も前提なのはわかるんですけど、そちらを設計の基準にしてるために車高がノーマルだと低いのがネック。(グループAのは反対に高い気がしますし)
かつてサニトラ、N360で車高選択式にしていた展開をこちらでもして欲しかった限りです。
(スカイラインなら車高落として作るユーザーも結構多いでしょうし)
またホイールの取り付けもピン式なので軸を入れるタイプの社外ホイールをつける場合、足回りを加工、それもサスアームにも干渉する為そのままでは余り太いのをはけないと言うデメリットもあります。

また作りやすいかといわれるとそうといえない箇所がいくつかありまして、フロントシートの接着位置がわかりにくく、前バンパーに付くウインカーレンズも左右だけでなく上下にも向きがあり、切り離すと判らなくなって収まらなくなる事、そしてシャーシの接合が前側がすんなりと収まらず、しかも接着式なので一旦つけてしまうと容易に外せなくなるのがネック。
そのため初心者の方には余りお勧めできないキットかと。

せっかくですので双方を並べてみましょうか。

フロントは横幅に差があり、迫力あってかっこいいのはフジミですけど、細かいディテールの点で言えばフロントグリルの形状がハセガワに軍配があがりますがこれはフジもが前期から後期に改修する際グリル形状まで手を入れなかった為、また撮影時に逆光になってしまい白ボケしてしまっていますが、ヘッドライトの反射鏡もハセガワはメッキパーツな上プロジェクターレンズも別パーツなハセガワに対し、フジミの場合前期の簡略なものしかなく、実際には4ドア用のパーツを切り出して移植する必要があります。

リアも同様でフジミ版ではマフラーが無いですがこれは紛失によるものでキットは付属のアルミパイプを半分に切って作るタイプで(実は上手く切れたためしがないので別キットのをつけてましたが比較にならなくなる事から取り外し省略)実際の物よりも大径になります。
そしてテールランプもフジミはガーニッシュ一体のクリアパーツの為塗り分けるのが大変なのに対し、ハセガワはガーニッシュ、レンズ、カバーの3点に分かれるため、特にカバーは接着シロがほとんど無い為綺麗に付けるとなると工作が手間になります。

側面に関しては全長が長く上下幅が狭い分フジミのがスマートに見えます。
ハセガワの方が実車に忠実な形状ではありますが、このあたりは好みが分かれるかと。
車高に関しては双方ともキットの指示どうりでこのくらい、フジミの場合更に下げる事もさることながら、前側のみはもっとあげることも実は可能です。(板シャーシ作りなれている方ならすぐ判ると思いますが前サス用スペーサーがこのキット専用で若干短い為)

シャーシに関しては作りやすさ(と汎用性)を重視したフジミと作り応えと精密さを重視したハセガワで最も相反する所、車高やタイヤ交換などの改造のしやすさではフジミに、ホイールの交換でさえ加工が大変な反面、実車の再現性ではハセガワにそれぞれ軍配が上がります。

統括、というかまとめと言う名のたわごと

双方を比べてみると双方のユーザー層が面白いくらいに明確に思えてきます。

ハセガワは実車を忠実に再現している一方でキットお仕着せ、言い換えればノーマルのままで作る事が前提、フジミは反対に実車をかっこよくデフォルメ(シャーシを既製品使う制約も一因でしょうけど)じ実車の再現度は見える範疇と割り切る一方、ユーザーが思い思いに改造できる汎用性を持たせた改造のベースとして作る事が前提、そのため最新ロットで改造パーツを追加したとも思え面白いくらい明確なユーザー層の住み分けが出来ているんじゃないでしょうか?

まあそこはカーモデルを長く、そして改造車文化と共に続けてきたフジミ。
そしてカーモデルに関しては後発、そして飛行機モデルで養ってきた精密さと再現性を重視するハセガワのそれぞれの個性が如実に現れているのではないでしょうか?

近年のカーモデルに関して、どっちのメーカーが出来がいいとか悪いとか論じる風潮がやたらと強い昨今ですが・・・

私に言わせりゃ出来がいいとか悪いとか、そんなもん、人の伝聞なんかアテにしないで作ってから論じたら?

実際の所、気に入るか要らないかは作り手の主観でしかないんですし、実車よりもカッコ良くなるんならそれはそれでありでしょ♪

と言うことでハセガワが決定版を出したからフジミはダメか?
そんなこたぁ無いでしょう♪

たしかにハセガワのほうが実物に近いかもしれませんが、フジミのスマートかつ迫力あるフォルムはそれはそれで模型映えすると思いますよ♪

・・・そもそもこのインプレッションはキットの優劣つけるための物でなく購入する際の参考になればと思って書いているだけですから、その点は誤解しないでくださいませ♪

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