2000 GT-EL 前期型(1977-1979 C-HGC210 E-HGC211)
ニッサン スカイライン2000GT-EL4ドアセダン フジミ1/24

NISSAN SKYLINE 2000GT-EL 4dr Sedan (1977-1979 C-HGC210 E-HGC210)

さて、前作ローレルに引き続きまして出てきましたのは兄弟車のスカイラインジャパン、それも前期4ドア。

フロアパネルを共用する2卵生双生児(プラットフォームを共用しつつもボディパネルが全く異なるため、名称と一部の装飾が違うだけのいわゆるバッチエンジリアニングの兄弟車を一卵性双生児として区分するためあえてこう表記します)なだけにローレルを出した段階で絶対に出すだろうと予想してたとおりローレル発売の興奮冷めやらぬ中発表されましたこのキット。

旧車雑誌『Nostalgic Hero』誌にフジミから正式な発表前にもかかわらず、特集が組まれましたがその記事を見て一抹の不安を抱えましたよ。

・・・これ、ノーマルに組めないんじゃね?

そんな不安を抱きつつも手にしたキット内容を確認したら不安的中。
キットのままだと新車当時のカタログモデルには組めません。
ただ、シャーシの車高の修正は好みの問題で必要かどうかは作る方の判断な事と、ノーマルにするためには一部のパーツを他から流用する必要があるということで、キットに特別な改造が必要と言うわけではないのですが。

誤解を招きそうなので追記しますと、わたしゃカタログモデルが絶対で、何も改造車が絶対に駄目だ、なんていうつもりは全くなく、取材しました車両を忠実に再現するのはいいのですが、メインのマーケット層を80年代のシャコタンブーム世代の方々にすえ、そちらの需要を最優先したのでしょうけれど、当時のキット、それも売れ線だったシリーズはノーマルとの選択式になっており、このキットもノーマルとの選択式にして欲しかったと言うのが率直な意見。
さらに欲張りな意見になってしまいますが、せっかくヘッドライトを2種類用意したんですから改造パーツを他にも入れる(ワンテールのリアガーニッシュとかバケットシートとか社外オーディオとかつり革)とか、さらに内容を充実させて欲しかったと言う気持ちもありますし。
改造するにしてもユーザーが思い思いに弄る人がほとんどでしょうし、そういう方々のためにもう少し選択肢を増やすと言うかおまけパーツを充実して欲しかったところです。

もっとも、これで後になって完全ノーマル版が出たらそれはそれで大爆笑ですが♪

と言うのも、確かにわたしゃノーマル派では在りますし、同じ思いな方も結構いるとは思いますが、近年ではフルオリジナルはもとより、前作のローレルがそうであったようにそれなりに改造されている方の中にも外装はオリジナルを留めていたり、それに近い状態をキープしている車も結構見かけます。
もっともこのスタイルは今に始まった事でなく、昔からあったからでもありますけれど。
今と全く異なり、昔のほうが改造に関してうるさかったですから。(ドアミラーでさえ違法改造で切符切られたり修繕命令出されたりしたそうですし)

また、キット自体の出来としては、かなりいい線いっているとは思うのですけれど、所々で気になる部分がちらほらと見受けられるのが残念なところ。
今回も完成を急ぐことを最優先とし、どうしても気になり修正をした部分もありますが、最小限にとどめました。

そんなわけで、今回も突貫工事、20日金曜に購入し、21、22日の都合3日、実質1日半(20,21はよる小一時間程しか出来なかった)、大まかな製作状況をブログに掲載しつつも(作業内容文を書いてる余裕がなかった)23日になる直前に完成させました。

次の日辛かったけど・・・って体壊して何やってんですか。

キットについて

ローレルの流れを汲んで新規製作されましたこのキット。
大まかな内容につきましては当ブログ 『Nostalgic Memory's Backyard 店主のたわごと』5月20日付けの記事に記載しておりますが、概要としてはローレルとシャーシを共用し、ボディと内装が新規パーツ、ホイールも社外品が2セット(リム幅の違いのためノーマルでは幅の細い前輪用を後輪にも使うため)入っているのがお得なところで前述のようにさる個人所有車両を取材した車両そのままをモデル化しており、車の仕様からお判りかと思いますが往年の街道レーサー系、最近では旧車会系の改造が施された仕様が前提となっており、更に先にリリースされたローレルとは異なって一部純正パーツがキットに含まれていないためそのままではまったくのフルノーマルには組めません。

そのため当店、つまり当サイトで基本ともいえるノーマル、つまりカタログモデルへの逆改造を前提に製作を進めて説明していきたいと思います。

で、肝心のノーマルへの改造において必要になることは車高調整以外で・・・
・ホイール
・ステアリング
・フェンダーミラー(キットにはドアミラーのみ)
・各エンブレム(キットにはリアガーニッシュ部のエンブレムの)
・マフラー
以上の部分の変更が必要で今回時間の許す限り、かつ手持ちの在庫品をかき集めて製作しました。

ボディについて

全くの新規開発によるこのボディ、発売予告にて掲載されました試作品画像のボディをみて思ったことはずいぶんノーズが長い・・・。

ところが、手持ちのLSの4ドアのボディと並べてみるとボンネットの長さはほとんど同寸法。
まず気になったのがフロントオーバーハングが長く感じたことで、ローレルの前例のとおり小径引っ張りタイヤに合わせてフロントのホイールアーチがやたらと小さく前後方向でかなり急なRを描いているという・・・。

上が加工前で下が加工後になります。

そのためシャーシを先に仮組みしホイールベース位置関係に気をつけながらホイールアーチ形状を前後方向に広げるように半丸やすりで大まかに削りましたが、ホイールアーチ、キットのボディではRの頂点部分がフレア形状になってRの途中までふくらみがあり段差の手前でツライチになっていますが、実車資料をみるとフレア部分が頂点から前後方向のプレスの段差の直前あたりあたりまでにも広がりがある用に見えますが形状修正するとなると時間がかかることから今回は見送りました。

ただ、このあたりは今回濃い色をボディカラーにしたためかある程度のメリハリが利いて見えているためさほど違和感がなかったのが嬉しい誤算でしたが整形色の白のままだと気づかなかった部分。
このようにボディカラーや見る角度によっては気にならないかもしれませんのでそのあたりは好みと製作スタンスの兼ね合いを考えて、になるかと思います。

ただ、それでも試作品画像を見るとノーズが長く感じてしまうのがどうしても気になり、バンパーを仮組みしてみたらその違和感が何か気づきました。

5マイルバンパーかこれ・・・

はい、フロントバンパーがやたらと長いんです。
アオシマのキットか!!
まあ、あそこまで極端ではないですがそれにしても長いような・・・と言うことで真横から見てカタログの写真と見比べてみてもサイドのバンパーガード、長さに問題ないですが前に出すぎているのは間違いなく。
それと共にどうもバンパー自体の取り付け位置が上につきすぎている気もしてこの際だからまとめて修正。

パンパー本体の取り付け面の部分を約2ミリほど切り詰め、ボディ側取り付け部分の穴の位置を1ミリほど下に開口、と言うか位置が近すぎて長穴加工になりましたが(ルーズホールとも言います、いわゆる位置調整が可能な穴と言うことですが)と共にボディ側のバンパーの受けの部分も寸法を詰めつつグリル下のパネル部分、1ミリ程短くするとともにバンパー位置をを下げるに伴って段差になる部分を削ってつながりが自然になるように整形しました。

他にもフロントピラーの角度が倒れ気味でなおかつ前ドアサッシのピラー上部からルーフにかけて角の部分が曲線になっていることやトランク右端の給油口位置が内側により過ぎてそれに釣られて土台部分のパネルの面積が広くなるなど気になる部分はありましたが、突き詰めるのは改めて作るほうでじっくりと手を掛けたいと思いますのでこれくらいにして、パーティングラインについてですがフロントフェンダー上部のAピラー付近の部分とリアピラー上部に目立つだけで他はさほど気にすることはないかと思います。

そのため、600#相当の不織布を全体にかけ足付け、洗浄して塗装。
ボディカラーはこのジャパンの場合所有する(53年2月発行のの初期GT用)カタログではGTで8色、他に掲載なしで2色の全10色、そしてHT用とSタイプ用の専用色もあり、今回はあえて地味目な濃い目のブルー、『ディープブルー』を選択。
GSIクレオスのNo5ブルーの改修前の旧モデル(新モデルでは彩度が明るくなりそれまでの透明顔料から不透明顔料になってます)をベースにMrカラーGXのウイノーブラックとスージーブルー、そして色の源のシアンを混ぜ、やや黒くにごった感じにしてみました。
当然と言うか定番作業の本塗りの後で、クリアー混色、クリアーとインターバルをおかずに重ね塗りして乾燥させましたのは言うまでもありません。

今回の製作において最大の難関だったのはキットでは省略されていた純正パーツ。
フェンダーミラー、サイドウインカー、リアサイドのエンブレム、この3点をどうするか・・・
フェンダーミラーこそフジミのローレルの物がメッキとブラックの色以外は形状が全く同一で、すでに手を掛けている2個目のローレルはボディ改修のためすぐ完成しない為そこから使い、サイドウインカーは寸法的に近いレンズを見つけ(イマイーアオシマのスカイラインジャパンのフロントウインカーを加工)そこまでは良かったんですが・・・

サイドのエンブレム、赤だったらGT-R用であるけど、大体GT用の青バッチでジャパン(と形状がほとんど同じケンメリ)用なんて早々あるわけが・・・
あった♪(←マテや)

いや、ないと思いつつもデカールの在庫を探していたら意外なものがありまして、それはアオシマでリリースしていたジャパンのパトカー。
といっても私が買っていたものでなく、というかいくらホイール新規でも4000円もするキットなんか買えるか!!
と突っ込みたくなり(ボディ塗装済みだったのもあって)スルーしてました。
それからしばらく経ってからに当店特約代理店(つまり相互リンク先)『Marion Model Factory』の有楽町マリオンのからくり時計さんから頂いたものでこんな高額なキットは流石に・・・と連絡したら秋葉原の模型店だかで1000円くらいで投売りしていたんだそうで・・・
このキットにサイドの『skyline』と青のGTバッチが入っておりましてキット自体は作ったものの、ホイールは別のに使ったし、勿体無いから使わずにとっておいたもので、これ幸いとばかりに流用いたしました。
使わないでとっておいてよかった♪

また、ローレルでは問題のあったウインドゥですがこちらではフロントガラス上部が屈曲しているなどある程度気になるところはありますがかなり良くなっています。
また、ガラス部品が単独パーツになっていることを見ても2どあHTが出るのは間違いないかと思います。

キットのクリアパーツは今回どういうわけかレンズのモールド、ヘッドライトが彫りが薄く、ウインカーに関しては全くないという同社らしからぬ作り、しかも取り付けピンの位置が悪く角度によっては穴の部分が見えてしまうと言うのが難点。
取り付けピンは無理して設ける必要がなかったと思いますが、いかがでしょうか?

また、フロントグリル左側にあるエンブレムですが、これはキットには入っておりません。
アオシマのスカイラインジャパン前期型のデカールを黒い板(余りもののナンバープレートのパーツ)にブルーを塗った上に貼り付けて切り出しました・・・
が、エンブレムのマークに青の色が反映されてないし。(ここはグレードによって色が決まっており、GTと同L系が青、GT-EXが金、GT-ESが赤)

リアセクションははっきり言って設計ミスをして居る部分があり、それはテールランプの内側と外側の間隔が開いていることで、そのためにレンズが小さくなっているのと中央のくぼんでいる部分の左右幅が狭くなり、ナンバー右にあるエンブレムの貼り付け位置が窮屈になってしまっています。

化粧プレートが若干大きいせいで余計そう見えますが実車はエンブレムの左右に余裕があります。

前後のガーニッシュは共にメッキパーツなのですが、メッキ保護のためにクリアーを掛けたのはいうまでもありませんが今回その作業に細工をして塗装部分のみメッキをはがしたうえで塗装してみました。
どのようなことをしたかはお楽しみに・・・。

長くなりますので続きます

(掲載日2011年5月28日)

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