・2000GTX-E・S type Hard・top (1975 A-KGC110 1976−1977 C-GC111)

第33回 モデルカーズコンテスト『スカイラインアンドプリンス』特別賞『石の森賞』受賞作品
2002年、2003年ホッカイドウ・モデラーズエキシビジョン出品作品
2004年静岡ホビーショウ合同展示会『Car Pla Net』ブース出品作品

アオシマ 1/24L型パワーシリーズNo,1スカイラインHT2000GTX(KGC110)改造 

 事の起こりは、以前作った青島の、ケンメリ(前期型GT-X)を友人に、見せたことだった・・・。
そのとき、友人はこのキットの欠点を述べてくれた・・・
 そこで、新たに作り直すことにしたものの、ただまったくおなじものを作るのもどうかと考えて、ジャンク・パーツを漁っていたとき、見つけた一つの部品が、この車を再びつくるきっかけとなった。それは、バンダイ1/20GTX-ESのリヤガーニッシュ・・・。そう、数あるケンメリの、キットの中で、唯一の後期型にして一番好きな型。かなり昔作って(そして遊んで)壊してしまった・・・。

そして、かつて、1/24で何度も製作し、納得いくものを作りあげるとの叶わなかった・・・・・

 制作、改造にあたって大雑把にまとめると・・・

・前期型GT-Xから後期型GTX-ESへの変更

・ボディ形状の変更

・左右ドアとボンネットを、開閉可能にすること

・エンジンの搭載と、エンジン・ルームの追加加工

以上4点になる訳ですがはっきり言ってえらい苦労しました・・・。モデルカーズのコンテストがなかったら完成するのはまだ先だったかもしれません。

1ボディの改造

このキットのボディの、最大の欠点は、前からみたときの側面の、断面形状。サーフィン・ライン以外は、平たいうえに、下端部の絞り込みが、足りない事だった。

そこで、この部分に手を加えることになる。

変更は、

・ウエストラインから下を、絞り込む事。

・フロント・フェンダーと、ドアの、上端部に沿っている窪み

・ルーフから、トランクへ沿っている角の部分

 まず、ウエストラインなんですが、前後バンパー下部と、フェンダーとの、角の所に、切り欠きをいれ、更に左右内側2ミリくらい切り込んで(長さは15ミリ)サイドのドア上端から2/3を、基準に横に、平行に、ラインを引いて、そのラインにそって、ポータブルはんだごてで、炙りながら、ボディをまげて、切り欠いた部分が、つながるように加工。炙った部分は、折り目になり、出っ張るので、ヤスリで、平滑に整形。その際、前後フェンダーの、先端も、削って形を整える。次に、フロント・フェンダーから、ドアまで、上端部に沿って丸ヤスリで、削って窪みを表現。そして、ルーフから、トランクへ沿っている角の部分を削って丸くする。

とまあ本来ここまでで良かったものを、ついつい欲がでたのか、バンダイのキットを思い出してか、気付いた時には、ドアとボンネットを、切り離してしまっていた。本当はトランクもやりたかったけど・・・。そこまでやると強度が落ちるので・・・。

そこで、サイドシルに、1.2ミリプラ板で、裏打ち補強するとともにドアの裏と、ボディ側も1.2ミリプラ板で、箱組み、更にフロント・ピラーも極端に強度が落ちるので、フロント・ガラスを先に接着することで、何とか確保。この時点で、フロント・ガラスをマスキング。ヒンジはプラ板と、虫ピンで、ドアが、フロント・フェンダーに被さるように組み付け。ボンネットは、裏面に、0.5ミリプラバンで、補強材のプレス部を作って、貼り付け。

塗装はGT-RとGTX-ESのイメージ・カラーのシルバーメタリック。グンゼMrカラーNo8銀に微量の黄と緑を混ぜてエアブラシ。でもはっきり言って一番苦手な色で(シルバーメタリックは、粒子を均一にしなければならない為、希釈割合や、ガンスピード、気温などによって変わる上、失敗すると、やり直すのも大変なためよほどのことがないかぎり、塗らない。というより恐くて塗れない。)そして、NO・155スーパークリヤーを吹いて研ぎ出す。

えらい大変だったもののなんとか仕上がってシャーシと組み合わせたとき・・・バリッと嫌な音・・・右のリヤが割れてしまった・・(瞬間接着剤が剥がれてしまった)。で、結局一から塗装をやり直す羽目に・・・(涙)。

 横幅が変わる為、使えなくなった前後バンパーは、フジミの、ケンメリGT-Rより(というよりこのパーツに合わせてボディを加工した訳なのですが・・・)流用。
 また、キットの物はなぜか、本来ノ−ズの先端にくる筈のメッキ・モールが内側に入り込んだ状態となっているため、ボンネットと、フロント・フェンダーの前端部1ミリくらいを、角を丸め、メタルックを用いてモールを表現。そして、グリル本体は、フジミのケンメリ、今度はセダンに入ってるGT-R用を加工、まず、ベースとなったパーツでは整形されてないライトリムは、ポリパテを充填して、完全乾燥前にグリルから外して整形し、中心部は切り抜いて、ハセガワの6角メッシュのエッチングに、プラ板で中央のモール部を作成。ヘッドライトはモデラーズのライトセットにフジミのケンメリRの反射鏡を組み合わせ。
 リヤガーニッシュは、キットの物のエンブレムを削り落とし、冒頭で述べたバンダイ1/20GTX-ESのエンブレムを、切り出して貼り付け。ここで、1/20のものが合うんかい、と思うかもしれませんが、実は、バンダイのこのキット、採寸ミスなのか、テール・ランプの内側と外側の間隔が広くそのしわ寄せで中央エンブレムの寸法が短くなっていたためなのです。(しかも1/24の、リヤガーニッシュにつけてもやや小さい・・・)
 フェンダーミラーは、ジャンク・パーツから見つけたLS(現アリイ)1/24サバンナRX-7(SA22C)の物をアルグラッドのクロームを塗装し使用。ドアノブとサイドウインカーレンズは、田宮のハコスカより、ベンチレーター/フュエルーキャップは童友社のケンメリよりそれぞれ流用。そして、両サイドのエンブレムは、部品取りの青島の、ケンメリセダンより、トランクリッドにつくNISSAN・NAPSのエンブレムは、青島の330グロリアより、それぞれ切り出して貼り付け。(これが一番苦労した。)
そして、サイドのGTバッチの配色は、実車解説に述べたように赤ではなく青緑が正解。

そして、ワイパーは、モデラーズのものを前後とも。また、リヤは、伸ばしランナーで、ウォッシャーノズルを追加。

 

シャーシの改造とエンジンの追加

エンジンルーム 元々このキット、エンジン付で、出ていたこともあるので(載ってたのはなぜか純正ターボ付きのL20E・T)シャーシにそれらしく彫刻してあるものの、実車とまるっきり違ってる為、プラ板とポリパテで大改造。原形留めとらん・・・。
エンジンと、ミッションは、フジミの、S30Zの本体に、田宮の130Zのヘッドカバーと、サージタンクを組み合わせ、デスビは、このキットにはいっていたL20ターボ用。但しフジミの、S30Zの本体には、デスビの付く部分が無いため2ミリのプラ棒で、根元の部分を、追加。プラグ・コードはモデラーズ。オイルパンは、ジャンク・パーツから。エアクリーナーケースは、キットのものを加工。ブレーキマスターシリンダーは、田宮の130Zより。ラジエーターは、レベル(ユニオン)のS30Zレーシングよりそれぞれ流用。
フロントのシャーシをいじくった為にタイロッドは、キットのものは使えず、ステア機能は、泣く泣く諦めることに・・・。足回りは、フロントはキットのものを直進状態で固定。リヤは、シャフトの位置をプラ板で調整、またミッションがおさまるように、フロアトンネルも作り直しておくと共にボディ下部を絞った分左右幅を詰めておく。

 ホイールはアリイ(旧LS)ジャパンターボパトカーより、表現されてないハブボルトをさかつう製のボルトを植え込んで使用、タイヤは、フジミのS30ZのピレリCN36。

 マフラーは、デュアル部の左側を取り除き、残った右に、マフラーカッターとなるメッキパイプを 取り付けた。

内装について。

内装 はっきりいって使えたのは、インパネと、センターコンソールぐらいな物。他は交換や自作。ステアリングは、青島ケンメリGT-Rより。ただし、センターのホーン・パッドのみ削り取り,フジミの、ケンメリGT-Rの物を切り出して取り付け。メーターパネルはシルバー塗装、メーターは、フジミのケンメリGT-Rのデカールを使用。また、シートはGTXーESは他のGT系とは形状が違っており、また、キットの物自体、やや大き目だった為、フロントは手元にあったキットの物より小さめなシートを元にポリパテで改造、それを原形に型想いを用いてポリパテで複製。またへッドレストのみ童友社のケンメリより流用、リヤはキットのものを、ホイールアーチでえぐれる所を切り取り(実車にはないので)ポリパテで改造。 色は黒、但し、両サイドのみ艶ありで、他はつや消しにして、表面の材質の違いを、表現する。リヤトレイは0.5ミリプラ板で、ボディとの位置関係に注意しながら組み付け。

まとめ・・・。

なんだかんだで組みあがるまで、3年ちかくかかってしもーた・・・。おまけにこれ1台つくるのにどれだけのキットから部品を取ったんだか・・・。(といっても、実際の所、極力廃品や、使わなかった部品をやりくりして使うようにはしたけどこれ全部新品から部品をとったとしたら・・・。コスト計算したらえらい金額になるな・・・)しかも、まだ手をくわえようとしてるし・・・。

実際、この車、本当に欲しいんだけど、なかなかみつからない。なんせ巷にあるケンメリの中古ときたら、ほとんどがGT−R仕様。ノーマル物が、ほとんどみつからない。でも、みつけたら、そして、手に入れた日にゃあ、まーた、懲りずに手を、加え直すかもしれないな・・・。でも、それより、バンダイ1/20のキットもう一度、手に入らないかな・・今度はディスプレイ仕様のキットを・・・。(私があそんで壊したのはモータライズ仕様。)このキットも実車同様なかなかみつからない・・・。とくにディスプレイ仕様のものは・・・。

どーしてこーも無い物ねだりすんだろーか・・・。私は・・・。

参考文献

二弦社刊 カーグラフィックNo1771975年12月号および同No1831976年6月号

ネコ・パブリッシング社刊 I LOVE SKYLINE  

追伸

 2004年5月の静岡ホビーショウ出品の為に、一部手直しいたしました。その部分はというと、フロントガラス。良く見ていただくと判るかと思いますが、実は助手席側上部、ヒビが入っていたんです。それも、完成直後に入った物で止む無くそのままにしてたんですが、正直直す際、冷や汗者でした。何故かって言えば、がっちりくっつけてたんで割れたウインドウ剥がす際、ボディをこわす恐れがありましたから・・・。

(掲載日2004年4月10日、2004年8月7日一部文章加筆、修正)

 

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