Build up Report.Vol1 -Return to Basic-

                                   製作リポート第一回 『基本に立ち返る』

3:塗装工程

下地が整いましたら、お待ちかね、塗装に入りますが、その前に塗る上で大事な事は、

1:天気のいい日を選ぶ事、

2:埃が舞ってない事

3:周りの迷惑にならない事

以上の3点なのですが、普通に考えると、塗料は有機溶剤の一種で、スプレー塗装は広範囲に溶剤撒き散らす事になるのですから、寝る前の子一時間に塗るなんて事したら、同居してる方のカミナリ落ちます。
独り者だから大丈夫、なんていってるとその日の晩に永遠の眠りに落ちるなんて事にもなりかねません。(と言うのは大げさですが間違いなく体調悪くします。)
昼間、時間がたっぷりあっても当然換気をしっかりしないと同じように大変な事になります。殺虫剤なんかは、部屋を密閉したほうが効き目がありますが、まいた本人がその場に留まれば、害虫さんと一緒に天国へ〜なんてことになりかねないのと同じ事です。(どんな例えですか?!)

エアブラシ塗装であれば、さほど広範囲に飛ばないのでその点では有利ですが、今回は、缶スプレー塗装が前提であり、また場所の制約や家族や当人の健康などを考えると、室内での塗装はお勧めできません。

天気のいい日曜などの休日、午前中の早い時間に塗装をする事を当店では推奨いたします。塗装を済ませば、あとは休日を他の事、レジャーや家族サービスに費やせば、十分乾燥時間が設けれますし、一石二鳥、早起きは三文の得です。

@事前準備

これは、前日の晩のほうがいいんですが、ペーパーがけをしたボディやそれに付随して同色に塗る部品を洗う必要があります。何でこんな事すんの?と質問来そうですが、当然理由はあります。
これは、塗装面のペーパーの粉を洗い流すと共に、手の油分も洗い流さないと残った油分が悪さをして、塗装を弾く現象が出るためです。
また、ボディ全体をペーパーがけせず、パーティングラインのみに留めた場合、かけてない部分の塗料の乗りが悪くなる為、洗浄の際、細かい傷をあえて付ける『あし付け』作業も兼ねてるんです。

で必要なのは、歯ブラシと歯磨き粉。歯ブラシは判るとして、何で歯磨き粉なの?と突っ込み有りそうですが、これもあし付けの為。
どういうことかと言うと、歯ブラシには研磨剤が含まれており、それが丁度いい具合に表面傷付けてくれるんですわ。
ちなみに、歯ブラシは使い古しで充分。古いの投げたばっかりと言う方は100円ショップで売ってる奴で充分でしょう。間違っても普段使ってる歯ブラシと兼用してはいけません。それぐらいケチってると体壊しますよ。
で、洗面所で隅々まで地道に洗い流します。ちなみに画像は有りませんのであしからず。水を張った洗面所にデジカメ落としたらシャレになりませんので。

そして、しっかりすすいだら、ティッシュやペーパータオルでしっかり水分を拭き取って、一晩乾かします。これは、拭き取れない筋彫り部分など細かい所に残った水分を蒸発させる為です。

Aいよいよ塗装・・・の前に

まだ有るんかい!と突っ込む貴方、あまりせっかちだとしくじりますよ。ボディ同色となる部分を一緒に塗る為の準備です。

ここでは、ドアミラー(実車の場合、ブラックですが)とリヤ・スポイラ―がそれに当たります。

で、まず、ドアミラーなんですが、そのまま接着すると、後で窓枠を塗るのに邪魔になる。
かといって、パーティングラインを消す為、ランナーから切り取り済み…なんで当然ランナーに付けたままって言うわけにも行かず、最も、ランナーから切り離す時に切断面が未塗装のままなんでその部分を後で塗らなきゃアカンのは手間。
で、どうするか、と言うと、ボディに付けとけばいい。それも、容易に外せるように。
取り出したるのはまたまた両面テープ。これを接着面に張り合わせ、仮付けします。

一方、リアスポの場合、そのまま指定の位置につけるとスプレーの性質上(窪んだ所には塗料は回らない)塗り残しが出る恐れのある為、どうするかというと、このように開口部の広いテールゲート部にマスキングテープを這わして、その上にスポイラ―を張ります。
別に同時に塗らんでも良かろうにと言う声が聞こえそうですが、別々に塗ると色が変わる事も稀に有ります。特に今回のようにメタリック塗装の場合には。

また、塗れる所まで来ましたら、ボディに付いている埃を確認して、付いているようでしたら、取り除くわけですがここではティッシュの使用が厳禁です。何故かと言うと、ティッシュの埃が付着するから。塗料のついていない筆でなぞったり、カメラのブロアーやパソコン清掃用のスプレー式のブロアーとかで飛ばしましょう。

Bいよいよ塗装です

大変お待たせしました。塗装に入ります。

今回用意いたしますのはおなじみ田宮の缶スプレーでTS-51テレフォニカブルーでございます。
この色はメタリック色で、上塗りにクリアーをかける必要があり、コスト的に割高な感じがすると思いますが、実はそうでもないんです。
何故かと言うと他の模型サイトを見た方ならお分かりと思いますが、今回はあえて下地塗装を行っていないんです。メタリックの粒子が上手い具合に隠ぺい力を高め、プラスチック特有ともいえる素材が透ける(白はもとより特に赤や黄色で整形されてる場合顕著)事による発色不良を緩和(誤魔化すともいう)させるのが狙いです。私の作品でメタリック塗装の物が多いのも、実はその為だったりしますけど〜♪ 他にも、黒やそれに近い赤系意外の色も隠ぺい力がよいので私としてはお勧めです。 逆に白や、赤、黄色などに塗る場合、整形色にもよりますが(白であれば問題無いかとは思いますけど)前述の理由から、下塗りを行う必要性が出てくるのでなれないうちは避けた方が無難だと思います。(あくまで私の主観ですが)

ここで場所は表に移りますが先にスプレーを暖めておきます。
これは缶の中の温度を高めて噴射圧を高めにかつ一定に保つ為で世間一般では湯銭と言ってます。
ここで注意しなければならないのは
“決して40℃以上に暖めない事”、間違っても熱湯の中に缶を入れない事です。缶が破裂して大怪我します。最悪、破裂しか缶の破片で重症になったり失明する恐れもありますので。
手を入れてみて、、風呂にはいって丁度いい温度、と言った所ですね。缶を入れると下がりますから。(缶の中のガスに温度を奪われる為)湯の中でよく振って、暖めましょう。
今回、気温の低い時期(ちなみに2月頃)でしたが暖かい時期にやっても効果があると思います。特にメタリックや、レースカーなどの蛍光色はきちんと攪拌しないとむらになりますから。

それじゃあ・・・いくぜ!!(←・・・ってどこへ?)

さて、缶スプレーとの間隔ですが、おおむね、3、40センチと言った所でしょうか。最も、私としても、ホント久しぶりで緊張しています。画像はおおよその距離を移した物で、(流石に塗りながら状況の画像は取れません。)ここでのポイントは、少しずつ色を乗せていくことで、一気に仕上げようとはしないことです。>
こればかりは塗る人の癖や塗装状況によっても左右されるので、言葉で説明するより各自実際にやってみて、コツを掴んで頂くしかないんです。

焦りは禁物。でないと・・・それは次の工程で。


あと、メタリック塗装ということでクリアーを上ぶきしているんですが、今回の場合、すぐに重ね塗りしましたが、これは最初の塗装を一度に厚吹きせずに、少しずつ色を乗せて、塗った色を乾かしつつ、塗装したため、問題なく出来たんですが慣れない方は少し時間を置いてから、クリアー塗装することをお勧め致します。(2004年12月4日追記)

 

(掲載日2004年4月10日、2004年12月4日加筆、修正)

 

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