Build up Report.Vol1 -Return to Basic-

                                   製作リポート第一回 『基本に立ち返る』

4:塗装『修復』工程

大変長らくお待たせしすぎて皆様忘れられてるようで申し訳ございません。

で、お待たせしまくったのは、この為ではないんですが・・・じっさい、既に完成しておりますし。

あ〜あ・・・やってまったい・・・

塗装、失敗かましてしまいました。

ミスその1:塗装が弾かれた、または、乾燥前に触った

ボンネットの部分を見てください。

運転席側ライトカバー付近の部分、表面がおかしくなっています。

デジカメで撮っているところが写ってる為、見づらいですが、これは、塗った直後の塗装表面きず付けてしまった(実は手を滑らせ落とした)ものです。

また脱脂や洗浄が不十分だったり、水分が残っていると弾かれて、整形色がぽつんと残ることもあります。

ミスその2:埃やゴミがついた

この画像の四角で囲った部分を見てください。

埃が付着してしまっています。
先ほどのボンネットにも付着しているのもお解りかと思いますが。
因みに、クリアー塗装時点で着いたものですが、上の画像左側(つまりこちらから見て右側)を見て解るようにベースカラー塗装時につく場合も有ります。

因みにこの埃、取り除いたはいいはキズをつけてしまうという間抜けな後日談があります。


ミスその3:塗装が垂れた

こちらは画像がなくて恐縮ですが、同じ面を合間を置かずに何度も塗ったり一度に厚塗りしようとして、塗装面が垂れる場合もあります。

このような場合、塗装を中止して、乾燥させます。塗り始めたばかりでしたら、半日有れば固まるかと思います。まあ、2〜3日おいておけば良いでしょう。

そして、完全に塗装が固まってから、修正作業に入るわけですが基本的には荒れた部分を除去して、塗り直す事になります。

また、乾燥させる場合、初心者でしたら、基本的に熱による強制乾燥は厳禁と心得て下さい。
何故かというと、プラスチックは熱に弱いので、溶けます。ドライヤーで軽くあぶる程度なら良いのですが、これは慣れないとボディを変形させてしまう為、はっきり言って、お勧めできません。
おまけに、乾燥中に揮発する溶剤には火がつきやすい為、最悪、火災の恐れがあります。

間違っても、電子レンジやオーブントースターの中に入れたり、
ストーブの上のヤカンの隣に置かないように!!

・・・まあ、その様な事は、無いとは思いたいのですが、初めて作る方の中にトラブルが起こるとパニくって、とんでもない行動を起こす事もありえますので。

アクシデントが起こりましたら、まずは、落ち着きましょう。


このように、ペーパーを当てて、埃を削り落とします。

番手はまず、1000番を使ってみて、削りきれなければ800番に落とすと良いでしょう。
これも、下地修正と同じく、ペーパー目がムラ無く掛かれば良いでしょう。(埃の出っ張りやキズにより、窪んでる所が均される)
仮に削りすぎて下地が出ても、メタリックなので、缶スプレーをよく攪拌すれば、他との色むらがなくなります。修正した部分の塗る回数を増やせばいいんですから。


こちらが、ペーパーを当て、埃を削り落とした後の画像です。

こちらは、1000番を使ってみたものです。
これを見て頂けるとわかりますが、ボンネット一面ペーパーが掛かっています。埃の部分だけを集中して削るとその部分だけ、窪んでしまい、完成時に見栄えが悪くなります。また全体にかけることで再度、あし付けするとともに、塗料の乗りも良くなります。(埃の出っ張りが均されるって、一度言えば判りますか)
一箇所に集中しないようにする事がポイントでしょうか。
缶スプレーだと、塗装面積がどうしても広くなりますしね。


また、ペーパーを当て埃を削り落としたもののその部分が窪んでしまった、あるいは完全に乾燥する前に削ったりピンセットとかで埃を取ったため、表面にキズをつけたと言う事や、塗装が弾かれたり乾燥前に触ってその部分が削れたり剥がれて窪んだ、と言うことも起こり得ます。
この場合、ペーパーを当て続けるより、むしろ、削れた分を肉もりする方法も有り、これをタッチアップと言います。

但し、缶スプレーと同じアクリルラッカー系のものを使う事が原則です。
基本的に、塗った色と同じ色を先の細い筆(こちらでは面相筆を使用)で傷につけるわけなんですがご存知のように缶スプレーで塗ったんで同じ色は無く、また、無理に缶から出そうとしても飛び散ってえらい事になります。
ですから、この場合・・


瓶入りのクリアーを使います。これを使えば、透明なので、次に塗るのに発色の影響は無いですから。

特に、クリアー塗装を行ってから、埃がついた場合、ペーパーを当て続けると、ベース色のところまで削れてしまい、その上からクリアーを塗っても、上手く仕上がりませんので、この方法のほうが有効です。


 

そして、色を盛りましたら、数日乾かします。これは、盛った色の乾燥に時間がかかる為です。そして、乾燥しましたら、ペーパーを当て、均します。

で、こちら、別の所ですが同じようにタッチアップして途中までペーパーをかけた部分です。

こちらも1000番でかけており、タッチアップした所の真ん中が窪んでますがこれは塗装が乾いて収縮した』為に起こった物です。

ちなみに、この窪んでる部分もペーパーを掛けたら平らになりました。

で、余談になりますがこの部分、タッチアップしてペーパーを当て、平らになった時点で『研ぎ出し』した物です。

どうですか?タッチアップした所、どこだか解らなくなった事と思います。

やり様によってはこのようにリカバリーする事も可能なんです。

ここで、『研ぎ出しと言う方法が出ましたがそれに関しては次のセクションで説明いたします。

このように、修正しましたら、後は同じように水洗いして塗装という工程に戻ります。

実際、塗装はなれないと難しいのですが、焦りは禁物。でないと・・・また同じ工程の繰り返しになります。

急ぐ事はありません。じっくりやりましょう。と言いつつ、ここまで待たせた私がこんなこと言うのもなんですが・・・。


 

(掲載日2004年11月11日、2004年12月4日一部文章加筆、修正)

 

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