944 Turbo(Type 951 1985−1988)
944ターボ ハセガワ1/24

Porsche 944 Turbo (E-951 1985-1988)

このハセガワのポルシェ944ターボ、キット登場当時は911が主流でどちらかと言えば亜流であった944をあえて選択しただけでなく、ジャギュアーXJ-Sに次ぐカーモデル参入第2弾、それまでは飛行機専門メーカーとしての印象が強く世界トップレベルにまで上り詰めた同社が持てる技術を投入しただけあってキット自体のレベルとしてはタミヤと比類しても劣るどころかむしろ上回っているともいえる名キットだと思います。
ただ、こと作りやすさと言う点においてだけはタミヤレベルといえない部分も幾つかありましたが、カーモデルのジャンル自体慣れていないと言うことを考えたら十分高いレベルであると言えます。

実際、このキット自体何度も作った思い入れの強いキットで選択した車種としても勿論のこと作り応えのある構成と高い完成度にすっかりハセガワのファンになったくらいです。

唯一つ残念なのは現時点で販売を終了してかなりの期間がたっているので入手が困難なこと。
その為見つけたら必ず押さえて都合4つは確保でき、怒涛のごとくつくりまくりました。

968にモデルチェンジしたのに伴い市場で見なくなったためにキットも968に改修されたとばかり思っていました。
ところが近年ドイツレベルからリリースされたキットがハセガワのOEMだったと言うことを知って驚くと共に(キット自体の値段が高かったこととてっきりイタレリのOEMとばかり思っていてスルーしてました)実は968はボディ自体別金型、一部パーツが差し替えだけだったt語言うことを知ったのは最近968を格安で入手して確認できたからでしたが。

一昨年のHME、札幌モデルカーoffミーティングさんのコラボテーマがポルシェと言うことで、2台製作、そしてそれから2台追加で製作ということでせっかくの機会、現在形になっているものを順次掲載することに、その第1弾として、今回はキットをストレートに製作したこちらをキットのご紹介と製作時における注意点を含めてご紹介いたします。

 

キットについて

大まかな概要については今回初の試みとなりますBuyers Guidに記載いたしましたのでそちらをご覧いただければ、とおもいます。

製作コンセプト

今回はキットデフォルト状態の登場直後の'85モデルとして製作、ボディカラーはキットではシルバー以外に指定が無くまた製作時点で実車のカラーチャートがわかりませんしたのであえてこだわらず、実際に特注でオーダーできるという話も聞き及んでいたこともあり自分の好みを優先してやや濃い目のブルーメタリック、内装を明るめのブルーの本皮内装(実車でオプション)としました。

とにかく、ストレートに製作するということで説明します。

 

ボディについて

実車の持つ抑揚ある曲線を上手く表現しておりリトラクタブルライトとボンネットが可動式。
ただ、ライトの稼動部分の強度が弱く、収まりも悪いのが難点なのと、リアスポイラーが一体整形なのが残念なところ。ボディカラーならともかくフラットブラックのゴム製で塗りわけが大変な上にリアガラスとの合いが良くない為上側の両端に隙間が出来てしまいます。

また、フロント側も左右両サイドと一体整形なのはいいのですがフロントガラス側の下端をボディ側に入れる形ではめ込むのですが、この部分、特に両サイドの合いが悪く、ガラスパーツ自体もヒビが入りやすいため仮組みして干渉する箇所、左の画像中央部でピンセットで示しているワイパー支点のすぐ下の部分から端に向かっての箇所を削って整形、修正する必要があります。

クリアパーツの合いの悪さはフロント側のウインカー/フォグランプレンズにも言え、この部分も十分確認および仮組みとすり合わせすることをお勧めします。
わたしゃそれに全く気づかず塗装終了後でなおかつ時間無かったゆえ強引に押し込めましたが(←マテや) 
良くボディが割れなかったなと・・・破損の危険性が高いですので皆様は真似なさらぬよう。
このランプには反射鏡のパーツがありませんので接着後に裏からメッキ調のテープなりアルミ箔なりを貼っておけばよろしいかと・・・スイマセン、この文章書いてる時点で気づきました(←バカ)その為フォグランプがやたらと暗い印象になっちゃいました。


リア周りではテールランプの塗り分けに気を使うこと、ではあるのですが6分割の分割線を黒くするべきだとは思うのですがこの部分を塗り分けるのは割と難しく、綺麗に塗れるのならまだしも、多分上手くはいかないと判断しあえて塗りませんでした。

手抜きと言われればそれまでですけども、全体のバランスと自分のできる範囲を考えてあえて省略するのもまた一つの方法だと思いますけど、いかがでしょ?

また『turbo』のエンブレム、キットはモールドですが実車はそんなに段差はなく(立体状のステッカー)この際なので削り取りアルプスのプリンターでメタ陸シルバーにて印刷したものに変更しております。

ボディでは他にアンダースポイラーがドアミラー共々ボディ同色となり、この部分を接着するとそこからマフラーを接着するのも重なってシャーシとの分離が出来なくなりますので私はクリアボンドを用いて固定しています。
撮影などで分離する場合でも容易に剥がせますしボディに傷をつける心配が無いですから。

                                                    。

ボディカラーはダークブルー。こちらはオリジナルの調色によるもので。グンゼ産業MrカラーNo5ブルー(旧版の染料系)をベースにNo8シルバーを混ぜて塗装・・・したんですけれどどうも別の調合のために黒を混ぜた色を間違えてベースにした為にやたらと濁った、と言うか映えない色になって仕舞いまして・・・
かと言っても塗装面が綺麗だったがために塗りなおすかそのままでいくか悩み続けそれでしばらく3年近く製作が中断していたと言う経緯がありまして、2010年のHMEにてのサッポロモデルカーOFFミーティングのポルシェ祭のために再開。

この際なのでその上から上塗りすることに、と言うことで同じくグンゼ産業MrカラーNo5ブルー(旧版の染料系)をベースにNo8シルバー、今回は新品をベースにし、そこからGSIクレオスの色の源シアンを調合し彩度の高いブルーに仕上げました。もちろん、クリアコートは毎度本塗りからすぐクリアー混色、クリアーのみと進めているのは言うまでもありません。

 

シャーシーについて

基本的にはタミヤのキットに内容が準じており、タイロッドの取り付け時に破損しないように気をつけること意外問題はありません。足回りだけでエンジンを組まなければ、ですが。

このキットの最大の問題点は実はこのエンジンにありまして、主要なパーツがメッキな上にターボチャージャーを中心に給排気系統のパーツの接着しろが極端に少なく、また位置決めも曖昧な為に製作にかなり難儀しました。メッキ自体は前もって剥がしておいて大まかな部分を組んでからシルバーを塗装しましたが、補記類関係、特にターボ本体とエンジン下側を通る排気パイプのパーツの位置関係が非常に判りにくく、排気パイプをやむなく瞬間接着剤で強引に固定、(幸いアンダーカバーに隠れて見えなくなります)他のパーツも瞬間接着剤を多用して無理やりこじつけました。

特に最大の問題点は説明書の順番そのものにエラーがあり、説明書ではフロントサスペンションを組んでからエンジンを搭載と書いていますがその順序ではエンジンつけることは出来ません。

どういうことかというとアンダーカバーの開口部にオイルパンの出っ張り部分を収めることになっていますがそこもそうですけど排気系のパーツがアンダーカバーに干渉するために収まらないんですよ、これが。

今回も足回り完全に組んでからエンジン載せようとして何とかつけた排気系のパーツバラバラに取れました。その為アンダーカバーの後ろ側を剥がしてエンジンを搭載。
画像のように排気系のパーツが結局干渉してエンジンが曲がって付いてしまう、と言うかそうでないと収まらないという間抜けな展開に頭が痛くなりました。

しかもこの画像編集しててセルモーターが取れてなくなっているのに気づくと言う・・・
画像中央下の部分、円筒状のパーツ(クラッチハウジング)の所に接着跡があり本来はそこにセルモーターがつきます。
今となってはもうどうしようもありません。


 

とはいえこの部分もまたこのキットの最大の見せ場であるだけに省略するというのも・・・。
その為、エンジン関係は腕に自信のある方にのみお勧めします。

にしても・・・エンジン載せるだけで相当手間がかかった上に展示会のために完成急いだばっかりに所々で塗り忘ればかりしているだけに折角の見せ場が台無しorz

ホイールやディスクローターもメッキがかかっていましたがこちらも剥離しGSIクレオスNo8シルバーをエアブラシで塗装しております。
車高についても特に問題なく良い位置に収まっています。
上記の側面写真でリア下がりになっているのですがこれはリアアクスルのドライブシャフト部分の接着がはがれてそれにより粗い面とが狂ったことで下がったものによるものでしたので・・・ 


 

内装について

このキットの最大の特徴はリアパーセルシェルフやシートバック部分にカッティングされた起毛ペーパーが付いていることなんですけれど、色がベージュでブルーの外装にベージュと言うのも・・・これだったら外装色シャンパンシルバーとかブラックにすればよかった。
その為今回は使いませんでしたが、試しにペーパー貼り付けた状態で色塗ってみればよかったかもしれません。

それで内装色ですが、冒頭で述べましたようにライトブルーの本皮シート仕様として調色したブルーをシートやインパネ下部、ドア内張り部分を半つやに、パーセルシェルフ部分をつや消しに塗装しております。
本皮シート仕様にしたのは単純に単色だからシートの塗装がやりやすいという単純な理由からで実はキット自体も単色での塗装指示で、実車で標準の布地シートの場合、変則なチェック模様でこれを表現するにはデカール作成からやらなければならず(事実ターボSではそれに難儀しました)またそれとは別に中央部分のみ布地で外周がレザー(本皮?)の仕様も確認できましたけれどそちらも布地部分に斜めに小さな文字が連続で入っているデザインなのでこの仕様も、(と言うかそちらの方が余計に難儀かも)相当手間がかかりそうなのでこんな感じになりました。


まとめと言う名のたわ言

今回は連作となり現時点で形にしているものを順次出すための基準としてと共に、ハセガワの944ターボの製作に伴う注意点をまとめるという意図もあって思い出せる範囲でまとめて見ました。

既に形にしてから2年はたっており、また、所々で気になる部分なんかもありますが、結構いい雰囲気に仕上がったと思います。

エンジン周りに難点はありますけどそこさえ慎重に作業すれば(あるいはあえてそこを省略なり簡略にするなど)キット自体の素性は良いので結構楽しめるキットだと思うだけに現在販売停止中なのが実に残念です。
一言だけ言えることがあるとすれば

『お願いですから再販してください。』

ホント、あと2〜3台分はほしいくらいなんですから。

(掲載日2013年3月3日)

 

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