Modefication Report Vol.3 Section:1
1:開口部の切除
『フジミ1/24いすゞ117クーペ☆☆XC-J』

まず、なによりも穴を開けなきゃならないんですが・・・。

ま、丁度良い題材がありましたんでこちらを利用いたしますか。

最近発売されましたフジミの117クーペXC-J
こちら、サンルーフ付き車両なのは判るんですが、なんと、デカール貼ってその表現をするように指示されています・・・
・・・・・・えんれぇ手抜きでんなぁ。もっとも、バリエーション展開の一つということから、同社以前行なっていた開口部分を裏側にモールドしてあり、そこを切るとサンルーフ仕様になりますという手は金型改修の手間もコストも掛かるし、どうしても表面に引けが出来る欠点もあり、止むを得なかったんでしょうねぇ。

とはいえど。こんなデカール貼るのは手間だしめんどくさい。おまけに仕上がり、というかリアル感もまるで無いし。
というわけで、これを実際に開閉できるようにいたしましょう。

必要なもの

キットのボディと型紙、そして両面テープ、後はカッター。以上。
それだけだと味気ないので(←そういう問題か?)型紙についての補則をば。
今回はキットのデカールがそのまま型紙に使えますので問題ないですが、そうで無い場合、どのくらいの大きさと形状になるのかわからない場合もあることと思います。
純正サンルーフの場合、じつは開閉パネル自体、ルーフ形状が特殊な場合を除き、それぞれの車種専用ということが余り無く、(特にガラス製の場合)各メーカー、一つのパネルをさまざまな車種で共用していることが多いんです。
もっとも、年式によって形状を変更することもありますので、同年代の同メーカーの別車種でサンルーフ付きのキットがあれば、その開口部をトレースすればいいと思います。
(もっとも、キットメーカーによってはリサーチの違いにより実車と形状が違う場合もありますんで注意が必要ですが)

マーキング、ケガくともいいます

切り取った型紙に両面テープで位置関係、特に左右方向は定規で寸法を測りながら、位置を決め、ナイフやケガキ針などを用いてマーキングを行ないます。(今回はデザインナイフを使用しました)
また、マーキング時、型紙の端に短冊状に切ったプラ板(あてがう面が真直ぐにと切っていることが前提)をあてがってケガくとケガいた線がよれる事が少なくなります。
(この画像はあくまでもでイメージとして取ったもので、片手はカメラを構えていますので、ご了承をば)

マーキング処理後

こちらがマーキング処理を行なった後の画像になります。
この画像では、ルーフ面ペーパー掛けられておりますが、これはマーキングのみではデジカメの画像に写らなかったためにケガいた線を見やすくするために行なった処理です。ケガいた線自体が見えるのであれば問題ないでしょう。

普通であれば、このケガキ線に合わせて、開口する部分の内側に穴を開けて糸鋸で『ぎ〜こ・・ぎ〜こ・・・』とやるのが割りと良く知られている方法ですが、そうなると、当然ふたとなる部分は使い物になりませんですわなぁ。
プラ板で作ろうにも3時曲面ですからボディに合わせるのも大変ですし、ヒートプレスなんで大それた作業なんか出来ませんし、かといってもう一台のボディを部品取りにするなんてもったいなくて出来ません。
というか、わたしゃヒネクレモンな上に貧乏人ですから糸鋸なんてもってません。
大体こんなもん、カッターあれば十分でしょ。わたしゃいままでサンルーフはもとより、ボンネットやドア開口するのにずっとカッター使ってましたし、糸鋸なんて使ったことなんざありません。(←大マジ)

ナイフあれこれ

で〜、切り取りに必要なナイフ、ですが、いろいろと種類もあり、上から
Pカッター、(厚い板を切るのに最適)
デザインナイフ大(曲線で特に力が入りやすい所など)
デザインナイフ小(曲線で小回りが利く)
普通のカッター(可もなく不可もなく万能)
とありまして、一番使いやすいものを用いればいいでしょう。
・・・にしても、こっきたない工具だねぇ・・・(←だったらもう少し綺麗にせぇ)

私のナイフは・・・

で、そういうわけで私は普通のカッターで少しづつ、地道になぞって傷を深く掘り下げていきます。特に4隅の部分は狙ったラインから外れやすいので慎重に。また、隅の部分だけ0.3ミリなどのごく細いドリルで線の上から穴を連続で開けて、最後にカッターでなぞると一発で切り離せると思います。
今までも、サンルーフの開口はほとんどの場合これ一本でやってました。
(ちなみに、最初にやったのは確か小学3、4年生のころ。で、物は田宮のR30スカイラインHT)。

ここで注目

で、すこしづつやっていくと、裏側に白い筋が出てきます。
これは、表からの傷が裏面に達しかかっていることを表しています。
(ちなみに、今回は撮影時の電池の問題もあり、一箇所の角のみ行なってますが本来は一周丸々同時に行なう必要があります。)。

ここがポイント

この裏側に見える白い筋。
裏面からもなぞっていくと。綺麗に仕上がります。
表からのみで行なうと切る際の力加減がどうしてもまばらになるせいでで切断面が貫通してるところと貫通して無いところが出てしまい、ナイフが引っかかってしまい、切り口の断面はもとより、隙間もまばらになり、見た目も悪くなると共に、ひっかかったナイフを無理に動かそうとして怪我する恐れなんかもありますし、ボディ自体を壊すことも十分考えられます。(ましてやただでさえ折れやすい細いピラーですから。

ここで注目

で、表と裏、両方刃を入れていくと所々切れてくることと思います。
といっても、最初は判らないと思いますので、開口部の真ん中や、隅を軽く(裏から押したほうがいいでしょう)押してみて、開口するところだけ浮いてくれば達成間近です、がここが一番失敗しやすいところです。あくまでも慎重に。
で、浮いてきたら、そこをスタート地点に他のところで傷を広げるようになぞって・・・

いよいよクライマックス

で、3面が切り離されたら、残り一面、ここは刃を入れ続けて切り離すのもいいですが、切り取る面を上下に少しづつ動かしてみて、傷をつけたところ以外、損傷のおそれがなければ、一気に残りの一面も切れてきて、晴れて開口となります。
後は双方の切り離した部分をペーパーなどで整形すればいいでしょう。

(掲載日2006年2月25日)

 

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