Modefication Report Vol.2 Section:1
1:まずはホイールの種類から
田宮1/24スカイラインGT-R&アオシマ1/24トヨタコロナGT-T
田宮1/24フェアレディ280Z&アオシマ1/247カプチーノ

まず最初に、ホイールの種類についてですが。

基本的に現在市販されている国産のキットの場合、大まかに分けて二つの取り付け方法があります。

1:ホイールにシャフトを差し込むタイプ

田宮を除くほとんどのメーカーが採用している方式で、アフターマーケットの別売りタイヤはすべてこの方法と考えて良いでしょう。
特徴としては足回りの強度が高く、壊れにくいことで昔はモーターライズ全盛でのころから使われていた方法です。その代わり、前輪の切れ角、というより、振れ角が大きくなるため、ボディのフロントのホイールアーチ形状に制約が出てしまう(ボディと干渉するため前後方向を大きく切り開かれてしまいます)欠点もあります。
左側が旧来のタイプで右側が最近のポリキャップを介して取り付けるタイプです。
基本的に後者が取り外しが可能なのに対し、前者は取り外すことはできないと考えたほうが良いでしょう。(私みたいに気合で取り外すのは例外として。ホイールや足回りを壊す恐れがありますから)

2:ホイールにピンが付いているタイプ

基本的に田宮とハセガワのキットが採用している方式ですが、アオシマとフジミも一部のキットで用いています。
このタイプの特徴はホイールの切れ角が実車と同じなためとディスクブレーキの再現がなされているため、スケール感が損なわれないことで、欠点はピンが折れる恐れがあり折れてしまうと修正が困難なこと。そのため、ディスプレイタイプのキットの普及につれて広まったといえるでしょう。
左は表からピンを差し込むタイプで右がピンが一体となっているタイプ。今のキットはほとんど後者となっています。

3:ホイールが前後に分割されているタイプ

この形体はおもにアメリカのキットに見られる形態です。
下の赤いリング状のパーツが裏面となり足回りのパーツについて表面のメッキのカバー部をタイヤをはさんで張り合わせる形態です。
この形体の特徴はホイールの外周が同じなら、他のキットのパーツでも互換性があることでしょうか。
国産でも、昔、バンダイとニチモが1/20スケールで国産車をシリーズ展開していた際、用いていた方法でした。

あと、ほかにも、フジミのエンスージアストシリーズのようにねじ止め式のものもありますがこれ自体は特殊な例なので割愛させていただきます。

さて、付け替えるホイールがキットのホイールと同じ方法なら何も問題ないですが・・・

まぁ、実際のところ、まったく問題なくは無いですがそれは次でのお話ということで、 違う方法だとすれば、頭をひねらなければなりません。

サンプル:田宮のハコスカGT-R+アオシマのワタナベ8スポークとアオシマのコロナ+田宮セリカXX用純正アルミ

まず、普通なら上記の組み合わせでは取り付けることの出来ないこの組み合わせ。
どのように取り付けたのか、平たく言えば『2:ホイールにピンが付いているタイプ』としたもので、それぞれ個別に説明いたします。

ホイールをピンタイプに変更

基本的にホイール側のシャフト受けのパイプ部分を切除して、ピンを植え込む訳ですが、このホイールの場合、パイプを切除する前に2ミリのドリルで穴を貫通させてからパイプ部分を切除して、2ミリのモデラーズ製フレックスロッドを植え込み、表に出る部分をセンターキャップに見立ててゴールドに塗装しています。
このときパイプ部分は刃先の細いニッパーを用いて大まかに切り取り、彫刻刀で仕上げましたが、少しづつ取り除かないとホイールを破損してしまう恐れがあります。流石にこればかりは文章で説明することが難しいので、皆様が試行錯誤して行なっていただくよりありません。また、リスクが高いので刃物の扱いに慣れた方のみ行なうことをお勧めいたします。太目のドリルの刃やリュ−ターをお持ちでしたらそちらを使うことも手です。
この場合、車体側は一切加工していませんのでキット付属のスチールホイールに履き替えることも可能です。。

車体側をピンタイプに変更

このホイールの場合、フロントのみ、ピンタイプとなっており、リヤ用のホイールを2セット使えばいいだろ!と突っ込まれそうですが今となってはなかなか手に入る代物じゃございません。
それに、ハコスカと違いホイールを変える予定も無いですので、思い切って車体側を加工しようと。
といっても大したことをするわけでなく、前輪の付くパーツに適当なサイズのピンタイプ用のディスクローターをポリキャップを入れて接着、固定しただけです。その際、接着時は車体の重さが掛かる部分ですのでがっちりと強度を持たせることと、(今回はプラリペアを使用)ローターの付くパーツ(この場合はストラット)の穴に予めシャフトを通して、ローターの穴も同じく通して穴の中心を合わせることが必要でそれを怠ると左右でタイヤ位置が変わり、車体が傾いたり片側のタイヤが接地しない等の弊害が起こりますのでお気をつけのほどを・・・。

サンプル:田宮のフェアレディ280ZX+フジミのワタナベ8スポーク&アオシマ1/24カプチーノ+アオシマSSRリバースメッシュ

このZの場合は前輪のみ(それも表からリベットをさす方式)、カプチーノは前後とも『2:ホイールにピンが付いているタイプ』、となっておりますが、それを『1:ホイールにシャフトを差し込むタイプ』に変更しております。具体的にどうするかかといえば・・・

車体側をシャフトタイプに変更その1

この車体の場合、フロントのみ、ピンタイプとなっており、それを車体側、ストラット部分からリベットをさす方式に改めたのですが、この場合、ストラット自体に穴を開けるのでなく、ポリキャップを挿入する構造を利用して、ポリキャップにシャフトを入れた状態で挿入、勿論回転できなくはなりますが、特に難しい加工を必要としないため、簡単に出来ると思います。
またこの場合そのまま組むとホイール側の軸の部分だけ、ホイールが出っ張ってしまうため、ストラット部分を削って調整しています。
上が加工後、下が同じキットをストレートに組みたてたいわば加工前の物との比較になります

ホイールにアクセントを

今回の場合、スポークタイプのホイールのデザイン上、内部が筒抜けとなってしまうため、それに伴いホイール内部にディスクローターのパーツを入れております。
ディスクローター自体は適当なジャンクパーツ(このキットの場合、マルイ1/24はコスカGT-R用のもの)を用いましたが、ここで気をつけることは車格に見合うサイズのものをつけるということで、GT-Rやスープラなど、最新のスポーツカーにやたらと小さいローターだと迫力がなくなりますし、逆にさほど高性能車でないのにドデカいと逆にどえらくかっこ悪くなります。
まぁ、それはホイールにもいえますが、それにつきましては次でということで・・・

車体側をシャフトタイプに変更その2

打って変わってカプチーノの場合、通常は上の画像の右のディスクローターにポリキャップを入れて左のアクスルに接着するわけですが、この場合、アクスル自体に穴が開いているためこれを利用して、下の画像を見ていただいてお分かりのように直接リベットを打ち込んでおります。(ディスクローターはホイールがはみ出すため付けておりません)

判りやすいため、このキットを見本に用いたわけですが、勿論すべてのキットがこのようになっているわけではありません。
基本的に足回りのパーツを加工するということであり、このような工程を踏む訳ですので、手順さえ覚えていただければ後はいろいろと応用できると思います。

ホイールをシャフトタイプに変更

今度は、ホイールがピンタイプになっていて、シャフトタイプの車体に組み込む場合で、前述のディスクローターを組めない場合の方法ですが、平たく言えば、ピンをへし折って、シャフトの受けとなるパイプを接着すればいい話で、こちらの見本として、田宮のロータススーパー7のスチールホイールなんですがこれに受けとなるパイプとして、ジャンクパーツのトレッド調整用のスペーサーを接着して、そのままですと固定できないため、なおかつ、先端部を火であぶってとかして潰し、がたが出ない様にしております。
(掲載日2005年12月14日)

 

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