Modefication Report Vol.2 Section:3-b
3-b:車高調整のしかた(割と難しい方法)
アオシマ1/24スプリンタートレノブラックリミテッド

前のページではさほど難しく無い方法として紹介しましたんで、今度は結構手間のかかる作業について一席。

と言っても、車高を下げるのではなく、上げる方法という、誰がやるんだそんなこと?

まあ、車高の調整方法として考えれば今回私がやります方法のほうがむしろ応用範囲が広いのでは、と思いますがいかがでしょうか?

先のページで述べました『§1:サスペンション機構を加工する方法』こちらをさらに掘り下げる形でご紹介いたします。

ベースとしたのはアオシマのスプリンタートレノのブラックリミテッド。せっかく純正ホイールを加工して適性サイズにしたんですから、車高もそれに見合った位置まで調整しようと思ったのがそもそものきっかけで、このキット、普通に組むと若干車高が低い気がするんです。特に前側が。

上が加工せずにストレートに組み立てたGTVで下が加工して車高を上げたブラックリミテッド。
更に、GTVよりもブラリミの方がタイヤ外形そのものが小さいため、タイヤハウスの隙間が大きくなり、より高く見えますが・・・

同一サイズのものだと高さの差が更に広がります。

では、どのようにして加工したのかを順を追って説明いたします。

サスペンションアーム部分とシャーシの間にプラバンをかまして車高の延長分を稼ぐ方法は先のページでも述べましたが、今回の場合は、それでも実はまだ足りないんです。ではどうやったかというと・・・。

サスペンションのアーム部分、この部分を削って薄くすることで更に高さを稼いでいます。先のページで述べましたアーム部にプラバンを貼って低くするのと全く逆の方法になりますが、やりすぎると強度がおちて壊れやすくなりますので、この画像のように、本来の半分くらいのところまでに留めました。

そして下の部分で削った分だけ上のほうに画像のような合いそうなサイズの(今回は左の小さいほう)スペーサーをかましてサスペンションの底上げを行います。

このスペーサーをシャーシのサスペンション部分の入る穴と同径のドリルで内径を調節して・・・

そのドリルの刃をガイドにしてシャーシーの穴に接着します。こうすれば位置がずれることも無く、また接着剤が乾燥した時点でドリルをもみながら外せば問題なく外せます。

本来ならそれだけで十分なんですけど、今回はサスペンションの可動ギミックを十分に生かして、且つ可動範囲を広げるため、ストラット部品も加工します。まず、仮組段階で上下方向がキットのままでは長さが足りず、アームから外れる症状が見つかったので、下側の長さを延長するため、ロッド部分を切除の上、同径のドリルの刃で穴を開け、同径の更に長い棒に差し替えればいい話ですが、今回は・・・

ピンセットで示しましたサスペンションアーム部分に付いている不要部分、ここが偶然にも同径でしたのでこれを埋め込むと共に・・・。

加工前の左の部品に見られるスプリングが入る部分の段差を削り落として、シャーシ側でかさ上げした分狭まる可動範囲を広げた訳です。

それに伴って、スプリングも若干長いサイズのものに取り替えました。(同じアオシマ製の70年代の国産車用)

画像が暗くて見づらいかもしれませんが、左右のアームから伸びてる棒の長さを見てください。向かって右側のほうが長くなっています。


左右の加工が終わり、完全に接着しましたら、タイヤを付けてみて上下させてみて、下がりきった状態(画像下の部分)で、余分な長さを切り取ると共に、もし、ホイールが干渉するようであればホイール側を削る必要もあります。

次に、リアサスペンションですが、こちらは車軸となる部分のみが上下する構造ですので可動部分と接触する部分を左右同寸法になるように削って車高を上げました。

これだけだと判り辛い思いますので角度を変えてみて見ますとこんな感じになります。

では、どのくらい変化したのか、同一のホイールを用いて比較してみることにします。

フロント部分は変化が顕著で、2ミリくらいは上昇していると思います。
・・・純正ホイールではあう車高もインチアップしたタイヤだと、どうにも釣り合わない様な気がしますので、青島の設計方針もあながち間違っているという訳ではないと実感した次第です。

うって変わって後ろのほうですがバンパーの高さだけを見ればむしろ逆転して見えますが、これはそれだけ前側の車高が下がっているから。
(てこの原理で後輪を支点とした場合、前が下がっている分、その分後端があがってしまうため)

ホイルアーチとの隙間を比べてみていただければお分かりのように、これでも車高は上がっています。

まあ、今回のような方法も普通は行うことは無いかとは思いますが、、皆様が別の理由で足回りを加工する際の何らかのヒントになっていただければ、幸いです。

教材となったスプリンタートレノブラックリミテッドはこちらにて紹介しております。

(掲載日2009年1月2日)

 

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